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癒されるコピペ・画像なんかを貼ろうよ
教室で盛大にゲロ吐いた書籍化のお知らせ
11 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:16:22.50 ID:J1HkUbr70(68)
ちょ……これは不味すぎるだろ!!
ちょ……これは不味すぎるだろ!!
ヒトカゲの憂鬱1
ヒトカゲの憂鬱2
ヒトカゲの憂鬱3
ヒトカゲの憂鬱4
ヒトカゲの憂鬱5
ヒトカゲの憂鬱6
ヒトカゲの溜息7
ヒトカゲの溜息8
ヒトカゲの溜息9
ヒトカゲの溜息10
ヒトカゲの退屈11
ヒトカゲの退屈12
ヒトカゲの退屈13
ヒトカゲの消失14
ヒトカゲの消失15
ヒトカゲの暴走16
ヒトカゲの暴走17
ヒトカゲの動揺18
ヒトカゲの動揺19
ヒトカゲの動揺20
この早さでは助かる確率がかなり低い
いかにサトシとはいえ、
本気で死んで欲しいとか思ったことは……ちょっとだけあるけど
さすがにそんなこと言ってる場合ではない!!
「ブルー、サイコ、すぐに追わないと!!」
「ええ!!」
「さすがに…あれはサトシでも……不味いんだな!!」
僕の呼びかけに二人が水に飛び込む
この狭い場所では飛ぶことが出来ないので、僕はブルーの背中に、
リンはサイコの腹に飛び乗った
無事だと良いんだけど……
13 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:18:58.60 ID:J1HkUbr70(68)
いかに力があろうと、やはりこの流れはきついようだ
二人とも流れに身を任せ、何とか舵を取ることで精一杯だ
僕とリンはその上から周りに気を配る
何処にサトシがいるか分からないからな
進む度にブルーとサイコに小さい傷が目立つようになってきた
流れの中で様々なところに体をぶつけたからな!!
この状況ではサトシも傷だらけに違いない
いや、人間にこんな急流の中を泳げるとはとても思えない
きっと、水にもまれて最悪の状況に……
ようやく流れが弱まってきた
しかし、サトシの姿は一向に確認できなかった
やはりサトシはもう……
僕が最悪の状況を思い描いていると、突然リンが大声を上げてきた
「あっ!! みんな、あれっ!!!」
僕ら全員がリンの指さす方向に目を向ける
川縁に大きな岩が確認できた
そして、そこに異色の物体が引っかかっている
あれは………サトシ!!!
14 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:20:04.24 ID:J1HkUbr70(68)
サトシが岩と岩の小さな隙間に引っかかっている
僕らは急いでその場に急行した
どうやらサトシは気を失っているようだ
僕は急いでサトシを抱きかかえ、サイコの腹に乗せる
そして僕はサトシの心臓に耳を当てた
衣服はぼろぼろ、全身には無数の傷ながらサトシの心臓はしっかりと脈打っていた
僕らは皆ホッと安堵を漏らす
この状況で生きているなんて……ホント、とてつもない運と生命力だ!!
何にしても取りあえず安心した!!
16 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:21:35.67 ID:J1HkUbr70(68)
僕らは手近の休めそうな場所を見つけ、そこに降りることにした
サイコからサトシを降ろすと、周りの砂利を払い寝かしつける
そして僕はリン達に木々を集めてくるように頼んだ
濡れた体で何時までもいると、さすがのサトシも危険に違いない
何故か知らないけど、ここに来て妙に気温が下がったような感じがするし
散らばる三匹を見送り、僕は取りあえず服の交換くらいはと思っていたら、
サトシのリュックがないことに気がついた
サトシは無事でもさすがにリュックまでは無事とはいかなかったか!!
一応、ボールや財布といった大切なものは腰のポシェットに入っているし、
それはしっかりとサトシの腰に残っている
まあ運が悪かったと諦めて貰おう
どうせリュックの大半を占めているのは、DVDくらいだし
17 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:22:55.43 ID:J1HkUbr70(68)
結局、着替えさせることも出来ないので、僕は尻尾の炎をサトシに近づけた
リン達はなかなか帰ってこない
まあ、場所が場所だ
こんな洞窟に生えているのなんてコケくらいしかないし、
僕の注文のほうに無理があるのかもしれない
だが、無理とは分かってても、期待せざるを得ない
なんせ僕らがここに来てからというもの、どんどん気温が低下しているのだ
最初はたくさんの水を被ったせいかと思ったが、
それも乾き、緊張の汗も引いてくると、明らかに気温が低下してるのが肌で分かる
それも急激にだ!!
どう考えてもおかしすぎる!!
何が起こっているのか考えていると、
そんな僕の目にとんでもない現象が飛び込んできた
壁がどんどん凍り付いていくのだ!!
僕は不気味になって、辺りを見渡し始める
「全く……ここなら誰も来ないと思ってたのに……」
そんな僕の背後から急激な寒波と共に、透き通るような声が聞こえてきた
僕は恐る恐る、背後を振り返った
そこには見るも目映いほど、壮麗な体躯のポケモンが佇んでいた!!
19 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:24:29.94 ID:J1HkUbr70(68)
雪のような白い体躯、近づくだけで凍りそうな冷気、
このポケモンはまさか……
「フリーザー……なのか!?」
僕は半信半疑で目の前のポケモンに問いただす
いや、聞くまでもなくそんなことは分かっていた
この圧倒的なまでの威圧感は並のポケモンに出せるものではない!!
まさか、目撃者の見間違いかホラ話だと思っていたフリーザーが、
本当にこんなところにいるなんて……
「そうよ……あなたたち、私を捕まえに来たのではなくて?」
「ぼ、僕たちはただこの洞窟を抜けようと思っただけで……」
僕は若干及び腰に受け答える
相手は僕より格上だ、それに伝説と言われるポケモンでもある
あまり刺激しない方が良い
「あら、そうなの!? あなたたち、ハンターではなかったのね」
「も、もしかしてここは君の住処だったのか?
だったら僕達はすぐに退散するから……」
僕はサトシを抱え込むと、急いでその場を退散しようとした
しかし、そんな僕の背後から冷気の固まりが僕らを襲ってきた!!!
21 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:25:36.49 ID:J1HkUbr70(68)
今の技はアーガマやブルーも使えるれいとうビーム!!
僕は寸でのところでそれをかわし、フリーザーに食って掛かる
「な、何をするんだ!! 別に僕らは君をどうこうしようという訳じゃ……」
「あなたたちにここを出られたら、私の存在が公になってしまうでしょ
それは私のとって、とても都合が悪いの」
「僕らは君のことを誰かに言ったりはしない!!」
「それをどう信じろと? 私に信じさせるだけの物を持っていて?」
「そ、それは……」
僕は返答に窮する
「と言うわけで、申し訳ないのだけど、あなたたちにも凍ってくださいな
あのネズミさんとオデブさんと恐竜さんのように」
「なっ!! それって、まさか……」
僕の問いも半ばに、フリーザーはれいとうビームを放ってきた!!
どうやら説得が通じそうな相手ではない
僕はなし崩し的に戦闘に入ってしまった!!
23 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:27:18.31 ID:J1HkUbr70(68)
僕は空に舞い上がり、れいとうビームをかわすと、意識を戦闘状態に持っていく
レベルは向こうの方が明らかに上だが、相性は僕の方が良い
えんまくで身を隠し、かえんほうしゃを連続してフリーザーに放っていく
しかし、僕の攻撃をフリーザーは華麗に避けながら、
えんまくをものともせず、ピンポイントでれいとうビームをこちらに当ててくる
向こうは生まれながらの鳥ポケモン、こちらは進化してようやく飛べるようになった身だ
空中戦では明らかに分が悪かった!!
だが、こちらも飛ばないと避けられないし、技も届かないというジレンマに陥り
分が悪い空中戦で決めるしか手だてはなく、
僕のかえんほうしゃは、一向に的を絞れないでいた!!
氷系は僕に効きが悪いはずだが、さすがは伝説のポケモンというところか!!
一発一発がとても重く、アーガマやブルーの比ではなかった
炎系が幸いしたのか、氷状態にならないものの、あまりにも攻撃を受けすぎた
僕はもう体力の限界で、飛ぶこともままならず地面に落ちてしまう
完全に僕の敗北だった!!
25 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:29:04.42 ID:J1HkUbr70(68)
地に倒れ伏す僕の目の前に、フリーザーが優雅に降りてくる
「ごめんなさいね
あなたに恨みは無いのだけど、運が悪かったと思って諦めなさいな」
最後の台詞を口にして、フリーザーがれいとうビームの構えに入る
僕は迫り来る最後に耐えきれず、目を瞑って体を固めた!!
……………………………
しかし、僕の元に一向に攻撃が押し寄せてこない
どうしたことかと僕は恐る恐る目を開き、フリーザーに目を向けるが……
ホンの数秒前まで、僕の目の前に居たはずのフリーザーの姿が消えていた!!
僕は呆気にとられ、フリーザーの姿を探し出す
すると、フリーザーのいた場所に一つのボールが落ちていた
あれは……マスターボール!!!
29 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:31:12.59 ID:J1HkUbr70(68)
見間違いようはずもない
シルフ・カンパニーでサトシが受け取ったマスターボールだ!!
「全く、メタモン用のボールがこんなところで消えることになるとは……」
僕が地面にへたり込んでいると、ボールの後ろからサトシがこちらに向かってくる
おそらく僕らの騒ぎを聞きつけて、起きてしまったのだろう
痛々しそうに右足を引きずっている
骨折はしていないと思うが、もしかしたらヒビくらいは入っているかもしれない
マスターボールを回収するサトシ
伝説のポケモンをゲットするという偉業を成し遂げたというのに、
全く嬉しそうな顔をしていない
本当にフリーザーを欲しがっていなかったのか!!
「まあ仕方がないか……
さすがに失敗例のあるmastorbollを使って、ゲットに失敗したとあっては、
ここでオダブツになっていた可能性もあるからな」
マスターボールを腰のポシェットにしまうサトシ
でも、まさかマスターボールを使うなんて……しかも僕のために!!
ちょっと感動してしまった!!!
32 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:33:06.58 ID:J1HkUbr70(68)
「ところで僕のリュックを知らないかね?
何処にも見あたらないのだが……」
僕はおそらく流されたであろうことを説明してやった
「な………なんだと!!!!!」
力が抜けたように膝をつくサトシ
毎回思うが、こいつはいつもオーバーアクションだと思う
まあ、大切なDVDBOXが流されたんだし、サトシの気持ちも分かるけどさ
まずは助かったことを素直に喜ぼうよ
「DVDなどどうでもいい!!」
僕の心を読んだように、叫んでくるサトシ
一体どういう事だ?
まさか薬が流されて落ち込む奴ではあるまいし……
も、もしかして、流された時、頭でもぶつけたんじゃ!!
「DVDなどまた買い直せば良いだけの話だ
しかし、初回特典のピンズはそう簡単に手に入らないんだぞ!!!!」
良かった、いつものサトシだ!!
33 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:34:32.69 ID:J1HkUbr70(68)
数分後、ようやく立ち直り、他のことに気を向け始めた
「それで、他の者はどうしたのかね?」
サトシの問いかけに、僕はハッとなった
さっきのフリーザーの話だと、みんなはフリーザーにやられたらしい
僕はサトシに事情を説明し、サトシと共にみんなを捜しに行った
僕もサトシも満身創痍で歩くのも辛い状況だ
せめて回復薬さえあれば僕だけでも自由に動けるようになるのだが、
生憎、紛失したサトシのリュックの中だ
以前は僕もリュックを背負って自分で持っていたのだが、
進化してサイズが合わなくなったことと、
サトシが回復薬を持つようになったから背負わなくなってしまった
今ほどそれを悔しいと思ったことはない!!
無事、ここを出ることが出来たら全員分のリュックを買おう!!
35 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:36:03.63 ID:J1HkUbr70(68)
「むっ、そう言えばアーガマの存在をすっかり忘れていた」
サトシが急に思い出したように言ってくる
あっ!!
僕も一連のドタバタですっかりアーガマの存在を忘れていた!!
かいりきを覚えていないアーガマは、出す必要が無かったからな
フリーザー戦だってアーガマがいれば、
もしかしたら違った結果になっていたかもしれないのに!!
あれだけ濃い性格をしているくせに、何て影の薄い奴だ!!
36 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:38:08.48 ID:J1HkUbr70(68)
サトシがポケットに手を突っ込む
携帯はポシェットでは無く、サトシのポケットに入っていた
しばらくごそごそとポケットの中を探るサトシ
もしかしたら、あの急流の中に落としたのか!! とも思ったが、
しばらくしてサトシは携帯を取り出してきた
水を含み、パンパンに張っていて取り出しづらかったようだ
「アーガマ、出て来たまえ!!」
サトシがアーガマを呼び出す
しかし、一向に出てくる気配を見せない
もしかして、スリープモードになっているのだろうか?
その後、サトシが何度呼んでも、どんなに大声を出しても、
アーガマは出てこなかった
全く……こんな緊急事態に、よくもまあのんびりと………………
!!!!!
も、もしかして携帯が壊れてるんじゃ!!
37 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:39:00.46 ID:J1HkUbr70(68)
サトシの携帯は、確か防水仕様では無かったはず
僕はサトシにその疑問をぶつけてみた!!
携帯を開き、ディスプレイを確認する
そこには文字も時刻も何も表示されていなかった!!
サトシは携帯のボタンを押して使えるか確認するが、
やはり何度やっても使用は出来なかった
ポリゴンって確かデータで構成されてるんだよな……
じゃ、じゃあ……まさかアーガマは……
41 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:42:03.83 ID:J1HkUbr70(68)
「だ、大丈夫だ!! まだアーガマが消えたというわけではない!!」
さすがのサトシも声が引きつっている
しかし、現実逃避したくなる気持ちは分かるが、やはりもう……
「現実逃避ではない!!」
力強く宣言してくるサトシ
どうやら、僕の心を読んだらしい
サトシはそう言うと、壊れた携帯の中からmicroSDを取り出してきた
「アーガマが入っていたのはこの中だ!!
HDDと違い、カードは水に強い!!
目立った傷も見られないし、データを吸い取る環境があれば、
きっと無事に出てくるに違いない!!」
そもそも最初からボールに入れていれば、こんな事にはならなかったんだよな
ボールは耐久性・耐水性が抜群だし
まあ、ここでこんな事言っていても始まらない
カードが壊れていないことを信じるしかあるまい!!
42 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:43:48.96 ID:J1HkUbr70(68)
みんなはばらばらに散らばって木々を集めていたようで、
最初に冷凍漬けされたサイコを発見した
こおりなおしがあれば一瞬にして溶かせるのだが、無い物ねだりしても始まらない
僕はかえんほうしゃで時間を掛けて、氷を溶かしていった
「ま…全く……酷い目に遭ったんだな!!」
無事、氷の中から抜け出してくるサイコ
氷漬けされた以外はあまり外傷は見あたらない
きっと、反撃するまもなく凍らされてしまったのだろう
僕らはサイコにリンとブルーの居場所を尋ねた
リンは北に、ブルーは南の方に行ったという事なので、
まずはリンから捜しに行くことにした
どっちも無事だと良いんだけど
44 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:45:42.91 ID:J1HkUbr70(68)
リンもブルーも呆気なく見つかった
僕のかえんほうしゃで氷から出してあげると、ようやく出られたと伸びをする
「それにしても参りました
さすがに伝説のポケモンと言われるだけのことはありますね」
「私なんか何にも出来ないうちにやられちゃった」
「オラも……ぜんぜん攻撃が…届かなくて……すぐやられたんだな」
全員が為す術無くやられたのか
まあ、全員で掛かればいざ知らず、1対1ではな……
レベルや経験に差が有りすぎる
しかし、みんなにあまり怪我が無かったのはいいのだが、
僕だけこんなに痛い目に遭うなんて……
何となく理不尽
45 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:46:53.56 ID:J1HkUbr70(68)
サトシも意識が戻ったし、何時までもこんなとこに居られないと
僕らは先に進むことにした
僕とサトシは傷が深いので、サイコとアーガマの背に乗り、連れて行って貰った
我ながら情けない格好だ!!
怪我の功名というか、あの危険な流れを一気に超えて来たことで、
出口のすぐ側まで近づいていたらしい
無事、出口を出るともう、すっかり夜も更けていた
しかし状況が状況だ
野宿なんかをせずにセキチクに向かった方が良いというサトシの言葉に従い、
僕らは疲れた足を再度、推し進めた
46 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:47:47.88 ID:J1HkUbr70(68)
セキチクのポケモンセンターに着くや、僕とサトシは早速治療を受けた
そして、治療を受けるや僕らは今までの疲れがドッと出て、すぐに意識を手放した
僕が目を覚ましたのは、その2日後だった
サトシは僕以上に傷が深く、さらにその翌日になるまで目を覚まさなかった
翌日、サトシは目を覚ますや、早速PCに電源を入れ始める
そして、ポシェットの中に大切に保管していたmicroSDをカードスロットに差し込む
僕もこの一瞬は緊張した
もしカードが壊れていたら、アーガマはもう…………
水に付けたせいか、いつもより読み込みが遅い
僕はもうカードは壊れているのか!! と不安になったが、PCは無事データを読み込んだ
僕とサトシの顔に安堵が浮かぶ
50 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:50:02.02 ID:J1HkUbr70(68)
「アーガマ、出てきたまえ!!」
サトシがPCに向かって呼びかける
しかし、アーガマは一向に出てこない
気になったサトシは、microSDのフォルダを開けてみた
そこには、エロ動画、エロ画像、アニソンといった
サトシが初めから入れていたデータが残っているだけ、
アーガマのデータは残っていなかった
まさか……ピンポイントでアーガマのデータだけ消えたのか!?
サトシはその後、僕には分からない専門的な処理で、
なんとかアーガマのデータを復活させようとしていたが、
数時間後、PCの電源を落とし、僕に首を横に振ってきた
…………そんな……まさか、アーガマが……………
55 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:52:19.46 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは全員を招集した
アーガマの死について説明するのだろう
全員が集まり、サトシは正面に立って、アーガマの死を説明する
「みんな……落ち着いて聞きたまえ
実は………………先ほど、アーガマの死亡が確認された」
サトシの言葉を聞いて、一瞬何を冗談言っていると笑っていたが、
サトシはともかく、僕が本当だと説明すると、途端に空気が一変した
「なっ、死んだって……一体どうして!?」
ブルーがサトシに説明を求める
「ん……実は………………
アーガマが僕の携帯に居たことは知っているだろうが、その携帯が……………」
サトシは口を閉ざす
自分の失態でアーガマを死に追いやったことに責任を感じているのだろう
「………その携帯がサイバーテロに遭ってな
おそらく、僕が大金を手に入れたことを聞きつけたクラッカーが
僕のデータを盗むべく、集中攻撃をくわだt………!!!!」
僕は力を込めて、サトシの頭に拳を振り落とした
61 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:54:57.23 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは僕の一撃で大きく倒れ込む
初めてサトシに手を上げたが、別にやり過ぎたとは思っていない
僕はアーガマが死んだというのに、よくもそんなことが言える物だと憤慨していた!!
サトシのことだから、自分のトレーナーに手を出した僕を叱責してくるかと思ったが、
サトシは床に倒れたまま、起き上がらなかった
よく見れば、体が震えている
何かに耐えているような……
僕はそこでようやくサトシの本心が理解できた
一番、ショックに思っているのは誰でもなくサトシだったのだろう
何だかんだ言っても、アーガマを大事に思っていたってことか……
今の台詞も無理に強がって、明るく振る舞ったに違いない
……不器用な奴だ
66 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:57:28.05 ID:J1HkUbr70(68)
サトシはその後、シオンに行くと唐突に言い出してきた
シオンには、ポケモンを祀るためのポケモンタワーがある
データのアーガマの遺体は残っていないものの、その生きた証だけは残しておきたいそうだ
僕らもその気持ちは同じで、躊躇いなくサトシに同意した
サトシの容態は万全ではなかったが、杖を使えば歩けるし、
シオンまでは僕が空を飛んで行くので、すぐに出発となった
シオンに着くや、ポケモンタワーの管理者にアーガマの石碑を頼むサトシ
サトシなりの誠意なのだろう、最上階に一番値段の高い石碑を注文した
よく見れば、周りには僕ら同様ポケモンを無くした人間が、大勢参拝に来ていた
以前もこの町に立ち寄ったときに感じた、このお通夜のような雰囲気
しかし、今の僕らにこの湿った空気はとてもありがたくもあった……
69 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:58:50.35 ID:J1HkUbr70(68)
石碑は1週間ほどで完成した
その間、僕らは只何をするでもなく、ボーッと過ごしていた
みんながみんな、アーガマが亡くなった悲しみを埋めることが出来ず、
サトシも毎晩恒例のチャットをせずに、日がな一日、ポケモンセンターに籠もっていた
ポケモンタワーから石碑の完成を聞いた僕らは、
すぐに花を持ってタワーに赴いた
最上階のアーガマのスペースには、周りの石碑より一回りも二回りも壮麗な石碑が佇んでいた
サトシが持っていた花を添えて、手を合わせる
「全く……アーガマは浮沈艦だぞ
ラーディッシュじゃあるまいし………」
この状況で何を不謹慎なと思うかもしれないが、
この1週間のサトシの様子を側で見ていた僕らからすれば
サトシなりの最大限の誠意を感じることが出来た
僕らもその後、順に石碑に手を合わせて、アーガマの冥福を祈った
せめて電子界の天国で、いい夢を見てくれ
アーガマ………
72 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:00:41.53 ID:J1HkUbr70(68)
ポケモンセンターに帰った僕らに、サトシは唐突に告げてきた
「今日限り、旅を終えようと思う……」
さすがに全員がこの言葉に耳を疑ったが、僕にはその気持ちもよく分かった
さすがのサトシも自分のポケモンが死んだというのに、
欲望を叶えるためのこんな旅は続けられないか……
僕も自分の気持ちに整理を付けられないでいた
サトシの旅が終わったら、サトシの元を離れるなんて考えてもいたが、
なんか凄く後味の悪い結末になってしまった
これじゃ、しばらくは次の旅に出れそうにない
しばらくはオーキド研究所に帰って、静養していたいと思う
サトシは部屋に着くと、1週間ぶりにPCの電源を入れた
チャット仲間に旅の終了の報告と詫びを入れるのだそうだ
恒例のチャットルームに入る
74 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:01:36.27 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:………久しぶりだな、諸君
アムロ:なっ!! お前、やっと顔出しやがって!!!
こっちは連絡が付かないと、みんなで心配してたってのに!!
総帥:すまなかった、ちょっと不幸があってな
しばらくチャットとかそう言う気分ではなかったのだ
白目のない男:不幸?
だれか身内でも亡くなったのですか?
総帥:……身内といえば身内か
実は………私の不注意からアーガマを失ってしまったのだ…………………
アムロ:アーガマを失ったって……
アーガマってポリゴンのアーガマの事だよな?
総帥:うむ、そのアーガマだ
つい先ほど、墓に花を添えてきたところだ
アムロ:あー……………その事なんだが………………
アーガマなら、今俺のとこに居るんだが……
総帥:…………………!!!!!
…………えっ!!!!!!!!
79 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:04:14.65 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:ど、どういう事だ!?
アムロ:いや、だからな
そのアーガマなら俺のところに居るんだって!!
十日くらい前だったか?
俺が部屋でパソゲーしてたら、突然画面から物体が出てきてな
それがアーガマだったんだ
総帥:なっ………だが、何故アムロ君のところに!!!?
アムロ:何でも電子空間の中でサーフィンしてたら、お前の携帯に帰れなくなったらしくて
仕方がないから、お前の携帯に登録されてたアドレス先に向かったそうで、
それが俺の所だったというわけだ!!!
総帥:……………
アムロ:いやあ、ホント驚いたぜ!!!
丁度、ヒロインの告白シーンの最中、画面から出てきてな
よくアニメなんかにあるだろ、
二次元のヒロインが現実世界に出て来るって話
最初、それかと思ってビックリしたぜwwwwwwwwww
PCの前で全員が固まっている
………僕らのこの1週間って何だったんだろう
80 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:05:35.30 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:それなら何故早く知らせてくれなかったのだ!!
こちらはアーガマが死んだと思って、墓まで建てたというのに!!!
アムロ:無茶言うなよ!!
こっちだって、何とかお前に連絡入れようとしてたんだぜ
だけど、お前の携帯は繋がらないし、ここにも顔を出してこないし、
どうやって連絡しろって言うんだよ
ラル:そうですぜ、俺たちも凄い心配してたんですからな!!
なんかグレン島付近で海上封鎖されたってニュースが流れてたんで
おそらく総帥達はふたご島から行ったのではないかと、みんなで言いあっていたんです
それで、もしかしたらふたご島で総帥の身に何かあったのではないかと、
ヤキモキしてたんですからな!!
総帥:………そうだったのか
すまなかった、みんな!!
82 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:07:46.65 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:それで早速なのだが、アーガマをこっちに呼び寄せることは出来るかね?
アムロ:ああ、待ってろ
今、アーガマを送るからよ!!
で、今お前は何処に居るんだ?
総帥:シオンタウンのポケモンセンターだ
アムロ:分かった
すぐにアーガマを送るぜ
総帥:了解した
サトシはキーボードから手を離すと、PCの前から立ち上がる
僕らの視線は、すべてディスプレイに集中していた
十数秒もした頃、ディスプレイから角張った物体がスルリと出現して、
何事もなかったように、デスクに腰を下ろす
それは紛れもなくアーガマだった!!!
さすがは光回線
スピードが半端じゃない!!
83 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:08:58.16 ID:J1HkUbr70(68)
約十日ぶりの再会にも、アーガマは淡々としたものだった
「やあ、久しぶりだな、諸君!!」
こちらは墓まで用意して、死を悲しんでたってのにこのありよう
嬉しいことには違いないのだが、もっとこう感動の再会みたいなものがないのだろうか?
「アーガマよ
たまたま僕の携帯を出ていたなんて……………何て運の強い奴だ!!」
「運? サトシよ、それは違う!!」
「違うだと!? 一体どういう事だ!?」
「私は今まで一度たりともサトシの携帯に住んでいたことはない
もちろんデータは閲覧したがね
そもそも、私が携帯の中にいられるわけが無かろう」
「なに!?」
「お前のカードの容量がどのくらい残っているか、自分でも忘れているのか?」
「3MBだ!!」
うわあ……それじゃ音質の悪いMP3一曲で終わりじゃん!!
84 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:10:09.40 ID:J1HkUbr70(68)
「私の高い知能がそんなちっぽけなカードに収まるわけがなかろう
そのため、私は常に電子の海の中を漂う生活をしていたのだ」
「そ、そうだったのか!!」
「うむ、まあそう気にすることはない
私もしっかり説明しなかったという落ち度がある
携帯に帰れなくなったときは少々驚いたが、こうして無事に帰り着くことが出来た
一件落着としようではないか!!」
一件落着はいいんだが…………なんかサトシが二人居るみたいでキモい!!
86 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:11:35.31 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:諸君、いろいろと面倒を掛けたようだな、すまなかった!!
レビル:何をおっしゃいます、総帥
総帥がご無事で何よりですじゃ
ラル:そう言うことですぜ
総帥:そう言って貰えると本当に助かる
最初、この旅を止めようとすら思っていたのだ
今日はその詫びを入れるために顔を出したのだが……
白目のない男:それで、総帥は旅をお止めになるのですか?
総帥:……いや
この1週間は様々なパックアップをしてくれた諸君に
どう詫びようかとそれだけを考えていたが、アーガマが無事なら何も障害はない!!
再び、旅を続けようと思う!!!
アムロ:そうか!! こっちも安心したぜ!!!
結局、いつもの元鞘か………
でも、それが最高の締めくくりなのかもしれない!!!!
87 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:12:36.82 ID:J1HkUbr70(68)
白目のない男:それで、総帥は結局、今までどうしていたのですか?
総帥:諸君等が考えていた通り、グレン島からマサラタウンにいけなくて、
仕方がないのでふたご島からセキチクに抜けたのだよ
ラル:ホント、運がありませんでしたな
丁度、総帥の進行経路が海上封鎖されるなんて
レビル:全くですじゃ
しかし、総帥が無事で何よりですじゃ
総帥:全く無事というわけでも無かったのだがな
さすがに私も死にそうになった
生まれて初めて、真の恐怖というものを味わったよ!!
白目のない男:でもまあ、結局フリーザーには出会わなかったわけですね
やっぱり、目撃者の誤情報か、はたまたガセネタでしたか
総帥:ん!? フリーザーならゲットしたが……
アムロ
ラル
白目のない男 :な、なんだって―――――――――――!!!!!!!!!!!
レビル
88 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:15:03.27 ID:J1HkUbr70(68)
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
/ ミ:::,..::- 、::;;;ミミミ彡) ./´.: .:: ~:. :.`゙ー=,
!'" ミ:::/ u`ヽ--、'k.、 ,..-一、,.‐--、,,_ i '.: .: ,,..,.,..,.. ドヾ __,,,,...::-一=、
i. ミ::/ ゙゙゙''ヽ、 u iミ;!,.'";: .: .: .: .:. :: ド;'. i _,.ァ='-ノノi!_、i /.: .: : :. :.ミ
/',、ヾ ! u ,'"´r。`ヽ、_ :. _,,iミi '' 彡_イィiレヾi゙` iヘi ゙--゚,..` t_;7! .i .: ,.=-、ソiヾ、.,ヾ
゙i 'ヘ i:┘ ゙ー---.,, ゙i''f..i ,.i.-./r'"r。ヾ、ィ;、゙! ゝ. u .,.-、.,.ゞ. i .r、:i‐i' ( ;) i-i;"゙i'
.! ゙ヾ u " .:ヤ''〈ヘォi u ̄,._ ト‐-! ,,.ィ''ヾ ド--、 〉丿 ゞ_ u゙ー=、'.冫ィ
_,__7‐'i ,.:-‐-、.´/ .i,゙F'i /__.゙ラ' ,..j_,,ィ'" i. .:ヾ.==-'/ _,,../i' .、(ー-7 ノ
;'";;;゙i. i. /`==‐-/ .ノ: i. \ ゙、__././ ゙、 :i. ゙' .:::`゙T´ i`ー'-、;,. ゙、 ::゙ーr-'_´
;;;;;;;;;;゙i. ,;\ ゙、-- 、.:/ /;,: : :゙i :. ;,,`ーr'´、.__ ゙、 .i.-、 ,.-i: .i ゙i ;, ゙、;::::i ';,ー、
;;;;;;;;;;;;゙i. , ; ;;\ ゙二ニ'./: : : ;,: : :゙ト、 ;;::i: : :;,: :.ヽ ゙、 .:i. i :i ゙i ;, ゙、ノ ;' :i
90 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:17:04.94 ID:J1HkUbr70(68)
アムロ:ちょ…………フリーザーを手に入れたってどういう事だよ!!!
白目のない男:そ、そうですよ!!
というか、本当に実在していたのですか!?
総帥:いや、私もどういう経緯でフリーザーに出会ったのかは分からんのだ
急流に落ち、意識を失っていたのだが、なにやら激しい戦闘音で目が覚めてな
そちらに行ってみると、サザビーがフリーザーらしきポケモンにボコボコにされていたのだ
さすがにこれは不味いと判断してな、メタモン用のマスターボールを使ってしまったのだ
ラル:そ、そんなことが………
しかし、本当に実在していたなんて……
白目のない男:てっきりガセかと思っていましたよ!!
レビル:私もですじゃ
さすがの総帥も驚きを隠せないようですな
総帥:うむ
メタモン用のボールがあんなところで消える何て、本当に驚いたものだよ
そっちの驚きかよ!!!
悪かったな、弱くて!!!!!
91 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:18:21.53 ID:J1HkUbr70(68)
レビル:それで総帥はフリーザーをどうするおつもりで?
もし総帥の手に余るようでしたら、私の方で面倒を見させて貰いますが
総帥:レビル君
まだ、フリーザーにご執心のようだな
レビル:面目ない次第ですじゃ
しかし、現にフリーザーをゲットしたという話を聞かされては、私としてはどうも……
総帥:まあ、気持ちは分かるが、今回は諦めてくれたまえ
フリーザーは私の旅に同行させようと思う
厨なポケモンではあるが、戦闘力は直に見た僕が一番分かっている
さすがに戦闘力530000は伊達ではなかった
万一、RX-78と戦うことになった場合、あの驚異の戦闘力を持っていないのは惜しい
レビル:……そうですか
それでは、仕方ありませんな
総帥:まあ、旅が終わるまでの間だ
その後、レビル君に譲ることも検討の中に入れておこう!!
レビル:おお、ありがとうございますじゃ
これで、サトシの言う厨な軍団が完成したわけだ……
92 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:19:26.61 ID:J1HkUbr70(68)
ラル:しかし、フリーザーをゲットしたとあっては、
何か名前を付けてやらんといけませんぜ
白目のない男:そうですね
総帥は何かいい名をお考えで?
総帥:いや、特に考えていないが……
何か妙案はないかね?
アムロ:普通に最後の“ー”を消すだけで良いんじゃないか?
総帥:いや、折角メンバーがMSで揃っているのに、それは無かろう
まあ、私もそれを考えなかったと言えば嘘になるがな
ラル:ところで、フリーザーとはどのようなポケモンなので?
生憎と私は見たことがないんで
総帥:そうだな……
簡単に説明すれば、薄いブルーとホワイトでカラーリングされた鳥ポケモンと言うところか
94 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:20:55.34 ID:J1HkUbr70(68)
白目のない男:青と白の鳥ポケモン……ですか
なら、MAか戦闘機が妥当ではないでしょうか?
総帥:ふーむ……確かにそうかもしれんな
アムロ:ならコアファイターなんてどうだ?
ちょっと赤も混じるが、青と白の戦闘機だ!!
総帥:うむ、良いかもしれんな!!
ラル:おお、それは良いですぜ
白目のない男:ナイスなチョイスですね!!
レビル:それしかありませんじゃ
総帥:よし!!
それでは今日より、フリーザーはコアファイターに決定しよう!!!
なんか僕らの中で一番弱い名前になっちゃったな
MAですらないなんて
一番、強いのに……
99 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:23:52.84 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、フリーザーをMBから出すことになった
全員が緊張した面持ちだったが、さすがに今回は一人ではない
足場もしっかりしているし、どんなに向こうが強かろうと、負けることはないだろう
サトシがMBから、フリーザーを解き放った
MBから光と共に、優雅にフリーザーが出てくる
なんというか、そこに居るだけで空気が一変するほどの神々しさだ
「フリーザーよ、今日から僕がお前のトレーナーだ
今後ともよろしく頼む」
「…………油断していたわ
まさか、後ろからボールが来るなんて思ってもいなかった
しかも、普通のボールと違ってどうやっても出られないし……」
「当たり前だ!!
これはどんなポケモンでも、必ずゲットできるというボールだ
いかに伝説のポケモンとはいえ、それに抗うことは出来ん
本来なら、お前に使うようなボールではなかったのだが……」
メタモンに使うより、十分有効的な使い方だ!!!
100 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:24:57.81 ID:J1HkUbr70(68)
フリーザーはジッとサトシを見つめている
何か不思議なものでも見るように
「あなた………私の言葉が理解できるの!?」
フリーザーがサトシに問いかける
そうか!!
僕もサトシとフリーザーが普通に話していることに、なんの疑問も感じなかったが
サトシの能力を知らないフリーザーが不思議に思うのは仕方ないよな
「はっきりと言葉が分かるわけではない
ただ、何となくポケモンの考えが理解できる
昔からそうだったのだ」
「昔から……」
フリーザーは何かを考え込んでしまう
チラチラと目線をサトシに向けては、離している
何か気に掛かることでもあるんだろうか?
102 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:26:07.34 ID:J1HkUbr70(68)
「お前にはこれから、僕の旅に付き合って貰う
無事、旅が終わったら、離してやることを考えなくもない」
サトシの言葉に悩むような顔を見せるフリーザー
しかし考えも纏まったのか、大きく溜息をついて、サトシに言ってきた
「……まあ、仕方がないか
私が油断していたのが原因だし、
一度に5匹を相手にするのはさすがに骨だろうしね」
「そうか、平和的に解決できて何よりだ」
サトシが友好的か分からない表情を作る
この男にはこういう顔は本当に似合わないな
如何にも胡散臭い!!
「それではお前の名を付けてやろう
今日からお前はコアファイターだ!!」
「…………なに……その名前!?」
どうしてもそう言う反応になるよね
ホント、僕もそう思うよ
104 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:27:37.51 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは明日からの出発に向けて、準備を整えに行った
その間、僕らは第2回サトシ軍団(仮称)ポケモン懇談会を開くことになった
いかに仲間になったとはいえ、みんなは氷漬けにされ、僕はボロボロにされてしまった
今日は僕らの中にある溝を埋めるための懇談会でもあった
「あー、そのなんだ……今後ともよろしくね
僕はサザビー(仮称)、こちらは順にリン、アーガマ(仮称)、サイコ、BDだ」
「………変な名前ばかりね
あの人、センス無いんじゃないかしら?」
「…………あえて否定はしないよ」
105 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:28:58.87 ID:J1HkUbr70(68)
取りあえず、何て呼べばいいと言う僕の問いに、フリーザーは何でも良いと答えた
名前に不満があるようだし、僕は違う呼び名で呼ぼうかと言ったのだが、
この旅が終わればサトシの元を離れるので、変に情が移る名前は要らないとのことだ
そこで僕らは今後フリーザーをコアと呼ぶことにした
「そう言えば、あの時はごめんなさいね
今までも、幾度となくハンターに狙われてきたから……」
「まあ……言いたいことは色々あるけど、僕はもう気にしてないよ
捕まりたくない気持ちは分かるし」
「そうですね
凍らされたのは良い気分ではありませんでしたが、
そんなことを言ってチーム内に不協和音をもたらすのは得策ではありませんから
私ももう気にしないことにします」
「オラも……もう…気にしないことにするんだな」
「う……ん
…………みんながそう言うなら、私も何も言わない」
僕に続いて、ブルー、サイコ、リンも、コアを認めたようだ
リンは若干抵抗があったようだが、まあそれも若さ故か
どうやらうまくやっていけそうで安心した
107 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:30:55.95 ID:J1HkUbr70(68)
僕らはその後、コアにサトシとの付き合い方、旅の目的などを聞かせてやった
さすがにマスターボールをメタモンに使うと聞いたときは、
コアも唖然としていた
おそらく悔しかったのだろう
自分がメタモン以下と思われているような気がして
まあ気持ちは分かるが、そんなことを気にしていたらサトシとなんて、
一分も付き合えないよ
何せ、メタモン至上主義なんだから
108 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:32:54.31 ID:J1HkUbr70(68)
「ところであのトレーナー、サトシと言ったわよね
彼ってもしかして、トキワの森近くの出身かしら?」
「なっ、何でそんなこと知ってるの?」
僕らはコアの話を聞いて驚いた!!
サトシの故郷はマサラタウンだが、確か母親はトキワ出身のはずだ
エリカが以前、そんなことを言っていったのを覚えている
「ポケモンの考えていることが分かるって言っていたでしょ
トキワの森の出身者には時々、そういう人が生まれるのよ」
エリカに聞いた事と全く同じことを言うコア
「何でそんなこと知ってるの?」
「私はもう数百年生きてるもの
この地方に来たのだって、1回や2回では済まないわ
長く生きていれば、自然とそんな情報も入ってくるものよ」
「そんなものなのか」
「ええ
私が彼の旅に同行するのは、もちろんあのボールの強制力もあるけど
それより、彼がどんな人間なのか見てみたいからよ
トキワの力を持つ人間、興味は尽きないわ!!」
「サトシに何を期待しているのか知らないけど、絶対後悔すると思うよ」
111 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:36:04.19 ID:J1HkUbr70(68)
どうやらコアはインテリ系のようだ!!
また僕らにないタイプだ!!
しかし、これでツンデレの目は無くなったか……
最近の流行に乗る意味でも、期待していたのに
112 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:37:12.33 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、僕らは旅を再開することになった
コアは伝説のポケモンで、もし連れて歩いたりしたら大騒ぎになる可能性が高い
ボールに嫌悪感を示すコアはボールに入ることを嫌がっていたが、
ちょくちょく出すことを条件に、渋々ボールに入ることを認めてくれた
……はっきり言って、僕と代って欲しいよ
114 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:38:39.76 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは翌日までに、今まで失ったものを買いそろえてきた
こんな何もないところの、何処で手に入れてきたのかと言うほど大きなリュック
聞いたら、
「イワヤマトンネルを抜けてきた、山男から譲り受けた」
との事だ
そのリュックに、これでもかと荷物を詰め込んでいくサトシ
なんで、アキバ系って毎回大きなリュックに拘るんだろう?
115 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:39:56.76 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは僕らの方に近づいてくると、アーガマに向かって話し出した
「ボールと違い、携帯では耐久性や耐水性が乏しいということがよく分かった
本当に勉強になったものだ」
どうやらサトシはサトシなりに反省しているらしい
てことは、これからはアーガマもボールでの旅になるのかな?
それともサイズ的に考えて、僕らと共に歩いての旅になるのだろうか?
サトシは整理した荷物の中からごそごそと何かを取りだしている
どうやら、ボールでの旅になるようだな
「今回の事件を踏まえて、しっかりと欠点は克服した
これを見たまえ!!
これはカシオが誇るタフネス携帯として有名なGシリーズだ!!
タフネス・耐水性共になんの問題もあるまい
これが、今日からお前の新たな住処だ!!」
何が欠点を克服しただ!!!
素直にモンスターボールを持てば良いだけだろうが!!!!!
118 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:43:25.33 ID:J1HkUbr70(68)
アーガマが携帯に入る前に、サトシがアーガマを呼び止めた
「ところで、アーガマよ、これを渡しておこう」
「んっ、なんだね?」
サトシから、一枚の紙を受け取るアーガマ
僕らも横からそれに目を通す
アーガマに掛かった費用の内訳
・アーガマ代:20万円
・携帯代:○万円
・石碑及び葬式代:○○○万円
・僕に掛けた心労:priceless
「しっかり働いて返したまえ!!」
そういって部屋を出て行くサトシ
アーガマは何とも言えない様子で、サトシの背中を眺めていた
121 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:46:14.88 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、ようやく旅が再開された
サトシもすっかり全開し、相変わらず良い感じでシャツを汗で濡らしている
ホント、ビリーもビックリの汗の量だ!!
次の目的地はお隣の街、ヤマブキシティにあるヤマブキジムだ
以前はレベルが高くて敬遠したジムだが、新たにコアも加わったのだ
それに今の僕らのレベルならどうにでもなるだろう
よし、気合いを入れて出発しよう
123 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:48:17.45 ID:J1HkUbr70(68)
サザビー レベル48 えんまく かえんほうしゃ つばさでうつ きりさく
リン レベル45 かげぶんしん たたきつける 10まんボルト かみなり
サイコ レベル45 ずつき ねむる いびき のしかかり
アーガマ レベル44 サイケこうせん じこさいせい れいとうビーム トライアタック
BD レベル43 のしかかり あやしいひかり れいとうビーム どくどく
コア レベル50 しろいきり こうそくいどう こころのめ れいとうビーム
124 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:49:27.97 ID:J1HkUbr70(68)
ゲゲゲスタイルでヤマブキまで飛んでいく僕たち
なんの障害もなく、街にたどり着いた
以前はロケット団のせいで喧噪に包まれていた街だったが、今は良い意味で騒がしい
これがこの街本来の姿なんだろう
時刻はまだ午前
今日中にジム戦を終えるのかと思ったら、サトシはポケモンセンターに行くといいだした
やっぱり休むのだろうか?
しかし僕の予想に反して、サトシは部屋は取らなかった
カウンターに行き、受付と何かを話している
「今からジムに挑戦するのだが、誰か職員一人に着いてきて欲しいのだが」
「ジム戦は初めてでしょうか?
でしたら、ヤマブキジムはお止めになった方がよろしいかと思います
この街のジムは高レベルのトレーナーの為のジムですので……」
「いや、それは分かっている
実は各街のジムに行くごとに、ストーカーが僕の後をつけていてな
そろそろどうにかしたいと思っていたのだ」
そうだ、あのストーカーがいたんだ!!!
126 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:51:11.65 ID:J1HkUbr70(68)
このピザオタにストーカー!? と受付の人物は思ったのだろう
態度にありありと出ている
しかしそんなことを口に出せるはずもなく、
トレーナーが快適に旅を続けられるようにするのもポケモンセンターの役目なので、
しぶしぶと二人の職員を同行させてくれた
二人というのは、万が一暴れられた場合の対策である
ヤマブキジムの前にやってきた僕たち
サトシが連れてきた職員に後についてくるように促すと、ジムのドアを開けた
「おーす! 未来のチャンピオン!!」
案の定、ストーカーは健在だった
サトシの予感、大的中だ!!
「彼がストーカーだ
ニビジムからずっと僕をつけていたのだ」
職員にストーカーを教えると、職員はストーカーの両側に立ち、腕を掴みに掛かる
まるでグレイだ!!
127 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:52:31.14 ID:J1HkUbr70(68)
「なっ、何をするんだ!!」
両腕を掴まれ、明らかに狼狽を見せる
「こちらの方が非常に迷惑に感じています
済みませんが、ポケモンセンターまでご足労を願います」
「ま、待ってくれ!!
た、頼む!! 今回だけで良いんだ、これにサインをしてくれ!!」
職員に引きずられながらも、懸命にサトシを説得しようとする
また連帯保証人のサインか、懲りない男だ!!
「これにサインをしてもらえないと、オレは自己破n…………!!!」
ドアから出るまで、しつこく叫び続けるストーカー
例え金に困っても、ああは成りたくないものだな……
129 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:53:53.06 ID:J1HkUbr70(68)
「これで僕らの旅も快適なものになるな」
僕も珍しくサトシの意見に同意だ
ようやく憂いが絶てたと言うものだ!!
それにしても、ここは本当にジムだろうか?
周りを見渡す限り一面壁に覆われていて、
何処にも入り口や扉らしいものが見あたらない
ジムリーダーは元より、ジムお抱えのトレーナーすら居なかった
僕らが注意深く部屋を見回っていると、
以前シルフ・カンパニーでみたマークが床に描かれているではないか!!
超技術の粋を結集した、あのテレポーターだ
これがあると言うことは、このジムはテレポーターで進んでいくのだろう
種が分かれば、どうと言うこともない仕掛けだな
それにしても、シルフ・カンパニーがこの技術を一般公開しない理由がこれで分かった
ヤマブキジムに独占供給していたんだな!!
131 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:55:27.63 ID:J1HkUbr70(68)
各部屋に4つのテレーポーターがあり、僕らを迷わせる
無論何処に進むかなど見当も付かない僕らは、
仕方がないと常に出た場所の北か南にあるテレポーターを跳んでいった
この方法ならむやみに他のトレーナーと戦う必要が無いからだが、
普通この手の罠はどうにかしてトレーナーと戦わせるための物のはずだ
セキチクの見えない壁のように
それなのにトレーナーと戦わないで行く方法で、
ジムリーダーにたどり着けるとは思えない
サトシに進言しようかと思ったが、
まあその内気づくだろうと、僕は何も言わないことにした
もう何十回目かの跳躍で出た場所は、今までと違い大広間だった
その中央では一人の少女が瞑想しているのが目に止まる
少女が静かに目を開けて、僕らの方を向かずに口を開いてきた
「やっぱり来たわ、予感がしたのよ!!」
この言い方……この子がジムリーダーか!!
そりゃ来れるって!! あんな意味のない罠設置されたって!!
続くのであーる
ヒトカゲの憂鬱2
ヒトカゲの憂鬱3
ヒトカゲの憂鬱4
ヒトカゲの憂鬱5
ヒトカゲの憂鬱6
ヒトカゲの溜息7
ヒトカゲの溜息8
ヒトカゲの溜息9
ヒトカゲの溜息10
ヒトカゲの退屈11
ヒトカゲの退屈12
ヒトカゲの退屈13
ヒトカゲの消失14
ヒトカゲの消失15
ヒトカゲの暴走16
ヒトカゲの暴走17
ヒトカゲの動揺18
ヒトカゲの動揺19
ヒトカゲの動揺20
この早さでは助かる確率がかなり低い
いかにサトシとはいえ、
本気で死んで欲しいとか思ったことは……ちょっとだけあるけど
さすがにそんなこと言ってる場合ではない!!
「ブルー、サイコ、すぐに追わないと!!」
「ええ!!」
「さすがに…あれはサトシでも……不味いんだな!!」
僕の呼びかけに二人が水に飛び込む
この狭い場所では飛ぶことが出来ないので、僕はブルーの背中に、
リンはサイコの腹に飛び乗った
無事だと良いんだけど……
13 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:18:58.60 ID:J1HkUbr70(68)
いかに力があろうと、やはりこの流れはきついようだ
二人とも流れに身を任せ、何とか舵を取ることで精一杯だ
僕とリンはその上から周りに気を配る
何処にサトシがいるか分からないからな
進む度にブルーとサイコに小さい傷が目立つようになってきた
流れの中で様々なところに体をぶつけたからな!!
この状況ではサトシも傷だらけに違いない
いや、人間にこんな急流の中を泳げるとはとても思えない
きっと、水にもまれて最悪の状況に……
ようやく流れが弱まってきた
しかし、サトシの姿は一向に確認できなかった
やはりサトシはもう……
僕が最悪の状況を思い描いていると、突然リンが大声を上げてきた
「あっ!! みんな、あれっ!!!」
僕ら全員がリンの指さす方向に目を向ける
川縁に大きな岩が確認できた
そして、そこに異色の物体が引っかかっている
あれは………サトシ!!!
14 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:20:04.24 ID:J1HkUbr70(68)
サトシが岩と岩の小さな隙間に引っかかっている
僕らは急いでその場に急行した
どうやらサトシは気を失っているようだ
僕は急いでサトシを抱きかかえ、サイコの腹に乗せる
そして僕はサトシの心臓に耳を当てた
衣服はぼろぼろ、全身には無数の傷ながらサトシの心臓はしっかりと脈打っていた
僕らは皆ホッと安堵を漏らす
この状況で生きているなんて……ホント、とてつもない運と生命力だ!!
何にしても取りあえず安心した!!
16 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:21:35.67 ID:J1HkUbr70(68)
僕らは手近の休めそうな場所を見つけ、そこに降りることにした
サイコからサトシを降ろすと、周りの砂利を払い寝かしつける
そして僕はリン達に木々を集めてくるように頼んだ
濡れた体で何時までもいると、さすがのサトシも危険に違いない
何故か知らないけど、ここに来て妙に気温が下がったような感じがするし
散らばる三匹を見送り、僕は取りあえず服の交換くらいはと思っていたら、
サトシのリュックがないことに気がついた
サトシは無事でもさすがにリュックまでは無事とはいかなかったか!!
一応、ボールや財布といった大切なものは腰のポシェットに入っているし、
それはしっかりとサトシの腰に残っている
まあ運が悪かったと諦めて貰おう
どうせリュックの大半を占めているのは、DVDくらいだし
17 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:22:55.43 ID:J1HkUbr70(68)
結局、着替えさせることも出来ないので、僕は尻尾の炎をサトシに近づけた
リン達はなかなか帰ってこない
まあ、場所が場所だ
こんな洞窟に生えているのなんてコケくらいしかないし、
僕の注文のほうに無理があるのかもしれない
だが、無理とは分かってても、期待せざるを得ない
なんせ僕らがここに来てからというもの、どんどん気温が低下しているのだ
最初はたくさんの水を被ったせいかと思ったが、
それも乾き、緊張の汗も引いてくると、明らかに気温が低下してるのが肌で分かる
それも急激にだ!!
どう考えてもおかしすぎる!!
何が起こっているのか考えていると、
そんな僕の目にとんでもない現象が飛び込んできた
壁がどんどん凍り付いていくのだ!!
僕は不気味になって、辺りを見渡し始める
「全く……ここなら誰も来ないと思ってたのに……」
そんな僕の背後から急激な寒波と共に、透き通るような声が聞こえてきた
僕は恐る恐る、背後を振り返った
そこには見るも目映いほど、壮麗な体躯のポケモンが佇んでいた!!
19 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:24:29.94 ID:J1HkUbr70(68)
雪のような白い体躯、近づくだけで凍りそうな冷気、
このポケモンはまさか……
「フリーザー……なのか!?」
僕は半信半疑で目の前のポケモンに問いただす
いや、聞くまでもなくそんなことは分かっていた
この圧倒的なまでの威圧感は並のポケモンに出せるものではない!!
まさか、目撃者の見間違いかホラ話だと思っていたフリーザーが、
本当にこんなところにいるなんて……
「そうよ……あなたたち、私を捕まえに来たのではなくて?」
「ぼ、僕たちはただこの洞窟を抜けようと思っただけで……」
僕は若干及び腰に受け答える
相手は僕より格上だ、それに伝説と言われるポケモンでもある
あまり刺激しない方が良い
「あら、そうなの!? あなたたち、ハンターではなかったのね」
「も、もしかしてここは君の住処だったのか?
だったら僕達はすぐに退散するから……」
僕はサトシを抱え込むと、急いでその場を退散しようとした
しかし、そんな僕の背後から冷気の固まりが僕らを襲ってきた!!!
21 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:25:36.49 ID:J1HkUbr70(68)
今の技はアーガマやブルーも使えるれいとうビーム!!
僕は寸でのところでそれをかわし、フリーザーに食って掛かる
「な、何をするんだ!! 別に僕らは君をどうこうしようという訳じゃ……」
「あなたたちにここを出られたら、私の存在が公になってしまうでしょ
それは私のとって、とても都合が悪いの」
「僕らは君のことを誰かに言ったりはしない!!」
「それをどう信じろと? 私に信じさせるだけの物を持っていて?」
「そ、それは……」
僕は返答に窮する
「と言うわけで、申し訳ないのだけど、あなたたちにも凍ってくださいな
あのネズミさんとオデブさんと恐竜さんのように」
「なっ!! それって、まさか……」
僕の問いも半ばに、フリーザーはれいとうビームを放ってきた!!
どうやら説得が通じそうな相手ではない
僕はなし崩し的に戦闘に入ってしまった!!
23 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:27:18.31 ID:J1HkUbr70(68)
僕は空に舞い上がり、れいとうビームをかわすと、意識を戦闘状態に持っていく
レベルは向こうの方が明らかに上だが、相性は僕の方が良い
えんまくで身を隠し、かえんほうしゃを連続してフリーザーに放っていく
しかし、僕の攻撃をフリーザーは華麗に避けながら、
えんまくをものともせず、ピンポイントでれいとうビームをこちらに当ててくる
向こうは生まれながらの鳥ポケモン、こちらは進化してようやく飛べるようになった身だ
空中戦では明らかに分が悪かった!!
だが、こちらも飛ばないと避けられないし、技も届かないというジレンマに陥り
分が悪い空中戦で決めるしか手だてはなく、
僕のかえんほうしゃは、一向に的を絞れないでいた!!
氷系は僕に効きが悪いはずだが、さすがは伝説のポケモンというところか!!
一発一発がとても重く、アーガマやブルーの比ではなかった
炎系が幸いしたのか、氷状態にならないものの、あまりにも攻撃を受けすぎた
僕はもう体力の限界で、飛ぶこともままならず地面に落ちてしまう
完全に僕の敗北だった!!
25 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:29:04.42 ID:J1HkUbr70(68)
地に倒れ伏す僕の目の前に、フリーザーが優雅に降りてくる
「ごめんなさいね
あなたに恨みは無いのだけど、運が悪かったと思って諦めなさいな」
最後の台詞を口にして、フリーザーがれいとうビームの構えに入る
僕は迫り来る最後に耐えきれず、目を瞑って体を固めた!!
……………………………
しかし、僕の元に一向に攻撃が押し寄せてこない
どうしたことかと僕は恐る恐る目を開き、フリーザーに目を向けるが……
ホンの数秒前まで、僕の目の前に居たはずのフリーザーの姿が消えていた!!
僕は呆気にとられ、フリーザーの姿を探し出す
すると、フリーザーのいた場所に一つのボールが落ちていた
あれは……マスターボール!!!
29 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:31:12.59 ID:J1HkUbr70(68)
見間違いようはずもない
シルフ・カンパニーでサトシが受け取ったマスターボールだ!!
「全く、メタモン用のボールがこんなところで消えることになるとは……」
僕が地面にへたり込んでいると、ボールの後ろからサトシがこちらに向かってくる
おそらく僕らの騒ぎを聞きつけて、起きてしまったのだろう
痛々しそうに右足を引きずっている
骨折はしていないと思うが、もしかしたらヒビくらいは入っているかもしれない
マスターボールを回収するサトシ
伝説のポケモンをゲットするという偉業を成し遂げたというのに、
全く嬉しそうな顔をしていない
本当にフリーザーを欲しがっていなかったのか!!
「まあ仕方がないか……
さすがに失敗例のあるmastorbollを使って、ゲットに失敗したとあっては、
ここでオダブツになっていた可能性もあるからな」
マスターボールを腰のポシェットにしまうサトシ
でも、まさかマスターボールを使うなんて……しかも僕のために!!
ちょっと感動してしまった!!!
32 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:33:06.58 ID:J1HkUbr70(68)
「ところで僕のリュックを知らないかね?
何処にも見あたらないのだが……」
僕はおそらく流されたであろうことを説明してやった
「な………なんだと!!!!!」
力が抜けたように膝をつくサトシ
毎回思うが、こいつはいつもオーバーアクションだと思う
まあ、大切なDVDBOXが流されたんだし、サトシの気持ちも分かるけどさ
まずは助かったことを素直に喜ぼうよ
「DVDなどどうでもいい!!」
僕の心を読んだように、叫んでくるサトシ
一体どういう事だ?
まさか薬が流されて落ち込む奴ではあるまいし……
も、もしかして、流された時、頭でもぶつけたんじゃ!!
「DVDなどまた買い直せば良いだけの話だ
しかし、初回特典のピンズはそう簡単に手に入らないんだぞ!!!!」
良かった、いつものサトシだ!!
33 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:34:32.69 ID:J1HkUbr70(68)
数分後、ようやく立ち直り、他のことに気を向け始めた
「それで、他の者はどうしたのかね?」
サトシの問いかけに、僕はハッとなった
さっきのフリーザーの話だと、みんなはフリーザーにやられたらしい
僕はサトシに事情を説明し、サトシと共にみんなを捜しに行った
僕もサトシも満身創痍で歩くのも辛い状況だ
せめて回復薬さえあれば僕だけでも自由に動けるようになるのだが、
生憎、紛失したサトシのリュックの中だ
以前は僕もリュックを背負って自分で持っていたのだが、
進化してサイズが合わなくなったことと、
サトシが回復薬を持つようになったから背負わなくなってしまった
今ほどそれを悔しいと思ったことはない!!
無事、ここを出ることが出来たら全員分のリュックを買おう!!
35 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:36:03.63 ID:J1HkUbr70(68)
「むっ、そう言えばアーガマの存在をすっかり忘れていた」
サトシが急に思い出したように言ってくる
あっ!!
僕も一連のドタバタですっかりアーガマの存在を忘れていた!!
かいりきを覚えていないアーガマは、出す必要が無かったからな
フリーザー戦だってアーガマがいれば、
もしかしたら違った結果になっていたかもしれないのに!!
あれだけ濃い性格をしているくせに、何て影の薄い奴だ!!
36 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:38:08.48 ID:J1HkUbr70(68)
サトシがポケットに手を突っ込む
携帯はポシェットでは無く、サトシのポケットに入っていた
しばらくごそごそとポケットの中を探るサトシ
もしかしたら、あの急流の中に落としたのか!! とも思ったが、
しばらくしてサトシは携帯を取り出してきた
水を含み、パンパンに張っていて取り出しづらかったようだ
「アーガマ、出て来たまえ!!」
サトシがアーガマを呼び出す
しかし、一向に出てくる気配を見せない
もしかして、スリープモードになっているのだろうか?
その後、サトシが何度呼んでも、どんなに大声を出しても、
アーガマは出てこなかった
全く……こんな緊急事態に、よくもまあのんびりと………………
!!!!!
も、もしかして携帯が壊れてるんじゃ!!
37 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:39:00.46 ID:J1HkUbr70(68)
サトシの携帯は、確か防水仕様では無かったはず
僕はサトシにその疑問をぶつけてみた!!
携帯を開き、ディスプレイを確認する
そこには文字も時刻も何も表示されていなかった!!
サトシは携帯のボタンを押して使えるか確認するが、
やはり何度やっても使用は出来なかった
ポリゴンって確かデータで構成されてるんだよな……
じゃ、じゃあ……まさかアーガマは……
41 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:42:03.83 ID:J1HkUbr70(68)
「だ、大丈夫だ!! まだアーガマが消えたというわけではない!!」
さすがのサトシも声が引きつっている
しかし、現実逃避したくなる気持ちは分かるが、やはりもう……
「現実逃避ではない!!」
力強く宣言してくるサトシ
どうやら、僕の心を読んだらしい
サトシはそう言うと、壊れた携帯の中からmicroSDを取り出してきた
「アーガマが入っていたのはこの中だ!!
HDDと違い、カードは水に強い!!
目立った傷も見られないし、データを吸い取る環境があれば、
きっと無事に出てくるに違いない!!」
そもそも最初からボールに入れていれば、こんな事にはならなかったんだよな
ボールは耐久性・耐水性が抜群だし
まあ、ここでこんな事言っていても始まらない
カードが壊れていないことを信じるしかあるまい!!
42 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:43:48.96 ID:J1HkUbr70(68)
みんなはばらばらに散らばって木々を集めていたようで、
最初に冷凍漬けされたサイコを発見した
こおりなおしがあれば一瞬にして溶かせるのだが、無い物ねだりしても始まらない
僕はかえんほうしゃで時間を掛けて、氷を溶かしていった
「ま…全く……酷い目に遭ったんだな!!」
無事、氷の中から抜け出してくるサイコ
氷漬けされた以外はあまり外傷は見あたらない
きっと、反撃するまもなく凍らされてしまったのだろう
僕らはサイコにリンとブルーの居場所を尋ねた
リンは北に、ブルーは南の方に行ったという事なので、
まずはリンから捜しに行くことにした
どっちも無事だと良いんだけど
44 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:45:42.91 ID:J1HkUbr70(68)
リンもブルーも呆気なく見つかった
僕のかえんほうしゃで氷から出してあげると、ようやく出られたと伸びをする
「それにしても参りました
さすがに伝説のポケモンと言われるだけのことはありますね」
「私なんか何にも出来ないうちにやられちゃった」
「オラも……ぜんぜん攻撃が…届かなくて……すぐやられたんだな」
全員が為す術無くやられたのか
まあ、全員で掛かればいざ知らず、1対1ではな……
レベルや経験に差が有りすぎる
しかし、みんなにあまり怪我が無かったのはいいのだが、
僕だけこんなに痛い目に遭うなんて……
何となく理不尽
45 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:46:53.56 ID:J1HkUbr70(68)
サトシも意識が戻ったし、何時までもこんなとこに居られないと
僕らは先に進むことにした
僕とサトシは傷が深いので、サイコとアーガマの背に乗り、連れて行って貰った
我ながら情けない格好だ!!
怪我の功名というか、あの危険な流れを一気に超えて来たことで、
出口のすぐ側まで近づいていたらしい
無事、出口を出るともう、すっかり夜も更けていた
しかし状況が状況だ
野宿なんかをせずにセキチクに向かった方が良いというサトシの言葉に従い、
僕らは疲れた足を再度、推し進めた
46 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:47:47.88 ID:J1HkUbr70(68)
セキチクのポケモンセンターに着くや、僕とサトシは早速治療を受けた
そして、治療を受けるや僕らは今までの疲れがドッと出て、すぐに意識を手放した
僕が目を覚ましたのは、その2日後だった
サトシは僕以上に傷が深く、さらにその翌日になるまで目を覚まさなかった
翌日、サトシは目を覚ますや、早速PCに電源を入れ始める
そして、ポシェットの中に大切に保管していたmicroSDをカードスロットに差し込む
僕もこの一瞬は緊張した
もしカードが壊れていたら、アーガマはもう…………
水に付けたせいか、いつもより読み込みが遅い
僕はもうカードは壊れているのか!! と不安になったが、PCは無事データを読み込んだ
僕とサトシの顔に安堵が浮かぶ
50 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:50:02.02 ID:J1HkUbr70(68)
「アーガマ、出てきたまえ!!」
サトシがPCに向かって呼びかける
しかし、アーガマは一向に出てこない
気になったサトシは、microSDのフォルダを開けてみた
そこには、エロ動画、エロ画像、アニソンといった
サトシが初めから入れていたデータが残っているだけ、
アーガマのデータは残っていなかった
まさか……ピンポイントでアーガマのデータだけ消えたのか!?
サトシはその後、僕には分からない専門的な処理で、
なんとかアーガマのデータを復活させようとしていたが、
数時間後、PCの電源を落とし、僕に首を横に振ってきた
…………そんな……まさか、アーガマが……………
55 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:52:19.46 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは全員を招集した
アーガマの死について説明するのだろう
全員が集まり、サトシは正面に立って、アーガマの死を説明する
「みんな……落ち着いて聞きたまえ
実は………………先ほど、アーガマの死亡が確認された」
サトシの言葉を聞いて、一瞬何を冗談言っていると笑っていたが、
サトシはともかく、僕が本当だと説明すると、途端に空気が一変した
「なっ、死んだって……一体どうして!?」
ブルーがサトシに説明を求める
「ん……実は………………
アーガマが僕の携帯に居たことは知っているだろうが、その携帯が……………」
サトシは口を閉ざす
自分の失態でアーガマを死に追いやったことに責任を感じているのだろう
「………その携帯がサイバーテロに遭ってな
おそらく、僕が大金を手に入れたことを聞きつけたクラッカーが
僕のデータを盗むべく、集中攻撃をくわだt………!!!!」
僕は力を込めて、サトシの頭に拳を振り落とした
61 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:54:57.23 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは僕の一撃で大きく倒れ込む
初めてサトシに手を上げたが、別にやり過ぎたとは思っていない
僕はアーガマが死んだというのに、よくもそんなことが言える物だと憤慨していた!!
サトシのことだから、自分のトレーナーに手を出した僕を叱責してくるかと思ったが、
サトシは床に倒れたまま、起き上がらなかった
よく見れば、体が震えている
何かに耐えているような……
僕はそこでようやくサトシの本心が理解できた
一番、ショックに思っているのは誰でもなくサトシだったのだろう
何だかんだ言っても、アーガマを大事に思っていたってことか……
今の台詞も無理に強がって、明るく振る舞ったに違いない
……不器用な奴だ
66 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:57:28.05 ID:J1HkUbr70(68)
サトシはその後、シオンに行くと唐突に言い出してきた
シオンには、ポケモンを祀るためのポケモンタワーがある
データのアーガマの遺体は残っていないものの、その生きた証だけは残しておきたいそうだ
僕らもその気持ちは同じで、躊躇いなくサトシに同意した
サトシの容態は万全ではなかったが、杖を使えば歩けるし、
シオンまでは僕が空を飛んで行くので、すぐに出発となった
シオンに着くや、ポケモンタワーの管理者にアーガマの石碑を頼むサトシ
サトシなりの誠意なのだろう、最上階に一番値段の高い石碑を注文した
よく見れば、周りには僕ら同様ポケモンを無くした人間が、大勢参拝に来ていた
以前もこの町に立ち寄ったときに感じた、このお通夜のような雰囲気
しかし、今の僕らにこの湿った空気はとてもありがたくもあった……
69 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 21:58:50.35 ID:J1HkUbr70(68)
石碑は1週間ほどで完成した
その間、僕らは只何をするでもなく、ボーッと過ごしていた
みんながみんな、アーガマが亡くなった悲しみを埋めることが出来ず、
サトシも毎晩恒例のチャットをせずに、日がな一日、ポケモンセンターに籠もっていた
ポケモンタワーから石碑の完成を聞いた僕らは、
すぐに花を持ってタワーに赴いた
最上階のアーガマのスペースには、周りの石碑より一回りも二回りも壮麗な石碑が佇んでいた
サトシが持っていた花を添えて、手を合わせる
「全く……アーガマは浮沈艦だぞ
ラーディッシュじゃあるまいし………」
この状況で何を不謹慎なと思うかもしれないが、
この1週間のサトシの様子を側で見ていた僕らからすれば
サトシなりの最大限の誠意を感じることが出来た
僕らもその後、順に石碑に手を合わせて、アーガマの冥福を祈った
せめて電子界の天国で、いい夢を見てくれ
アーガマ………
72 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:00:41.53 ID:J1HkUbr70(68)
ポケモンセンターに帰った僕らに、サトシは唐突に告げてきた
「今日限り、旅を終えようと思う……」
さすがに全員がこの言葉に耳を疑ったが、僕にはその気持ちもよく分かった
さすがのサトシも自分のポケモンが死んだというのに、
欲望を叶えるためのこんな旅は続けられないか……
僕も自分の気持ちに整理を付けられないでいた
サトシの旅が終わったら、サトシの元を離れるなんて考えてもいたが、
なんか凄く後味の悪い結末になってしまった
これじゃ、しばらくは次の旅に出れそうにない
しばらくはオーキド研究所に帰って、静養していたいと思う
サトシは部屋に着くと、1週間ぶりにPCの電源を入れた
チャット仲間に旅の終了の報告と詫びを入れるのだそうだ
恒例のチャットルームに入る
74 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:01:36.27 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:………久しぶりだな、諸君
アムロ:なっ!! お前、やっと顔出しやがって!!!
こっちは連絡が付かないと、みんなで心配してたってのに!!
総帥:すまなかった、ちょっと不幸があってな
しばらくチャットとかそう言う気分ではなかったのだ
白目のない男:不幸?
だれか身内でも亡くなったのですか?
総帥:……身内といえば身内か
実は………私の不注意からアーガマを失ってしまったのだ…………………
アムロ:アーガマを失ったって……
アーガマってポリゴンのアーガマの事だよな?
総帥:うむ、そのアーガマだ
つい先ほど、墓に花を添えてきたところだ
アムロ:あー……………その事なんだが………………
アーガマなら、今俺のとこに居るんだが……
総帥:…………………!!!!!
…………えっ!!!!!!!!
79 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:04:14.65 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:ど、どういう事だ!?
アムロ:いや、だからな
そのアーガマなら俺のところに居るんだって!!
十日くらい前だったか?
俺が部屋でパソゲーしてたら、突然画面から物体が出てきてな
それがアーガマだったんだ
総帥:なっ………だが、何故アムロ君のところに!!!?
アムロ:何でも電子空間の中でサーフィンしてたら、お前の携帯に帰れなくなったらしくて
仕方がないから、お前の携帯に登録されてたアドレス先に向かったそうで、
それが俺の所だったというわけだ!!!
総帥:……………
アムロ:いやあ、ホント驚いたぜ!!!
丁度、ヒロインの告白シーンの最中、画面から出てきてな
よくアニメなんかにあるだろ、
二次元のヒロインが現実世界に出て来るって話
最初、それかと思ってビックリしたぜwwwwwwwwww
PCの前で全員が固まっている
………僕らのこの1週間って何だったんだろう
80 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:05:35.30 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:それなら何故早く知らせてくれなかったのだ!!
こちらはアーガマが死んだと思って、墓まで建てたというのに!!!
アムロ:無茶言うなよ!!
こっちだって、何とかお前に連絡入れようとしてたんだぜ
だけど、お前の携帯は繋がらないし、ここにも顔を出してこないし、
どうやって連絡しろって言うんだよ
ラル:そうですぜ、俺たちも凄い心配してたんですからな!!
なんかグレン島付近で海上封鎖されたってニュースが流れてたんで
おそらく総帥達はふたご島から行ったのではないかと、みんなで言いあっていたんです
それで、もしかしたらふたご島で総帥の身に何かあったのではないかと、
ヤキモキしてたんですからな!!
総帥:………そうだったのか
すまなかった、みんな!!
82 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:07:46.65 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:それで早速なのだが、アーガマをこっちに呼び寄せることは出来るかね?
アムロ:ああ、待ってろ
今、アーガマを送るからよ!!
で、今お前は何処に居るんだ?
総帥:シオンタウンのポケモンセンターだ
アムロ:分かった
すぐにアーガマを送るぜ
総帥:了解した
サトシはキーボードから手を離すと、PCの前から立ち上がる
僕らの視線は、すべてディスプレイに集中していた
十数秒もした頃、ディスプレイから角張った物体がスルリと出現して、
何事もなかったように、デスクに腰を下ろす
それは紛れもなくアーガマだった!!!
さすがは光回線
スピードが半端じゃない!!
83 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:08:58.16 ID:J1HkUbr70(68)
約十日ぶりの再会にも、アーガマは淡々としたものだった
「やあ、久しぶりだな、諸君!!」
こちらは墓まで用意して、死を悲しんでたってのにこのありよう
嬉しいことには違いないのだが、もっとこう感動の再会みたいなものがないのだろうか?
「アーガマよ
たまたま僕の携帯を出ていたなんて……………何て運の強い奴だ!!」
「運? サトシよ、それは違う!!」
「違うだと!? 一体どういう事だ!?」
「私は今まで一度たりともサトシの携帯に住んでいたことはない
もちろんデータは閲覧したがね
そもそも、私が携帯の中にいられるわけが無かろう」
「なに!?」
「お前のカードの容量がどのくらい残っているか、自分でも忘れているのか?」
「3MBだ!!」
うわあ……それじゃ音質の悪いMP3一曲で終わりじゃん!!
84 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:10:09.40 ID:J1HkUbr70(68)
「私の高い知能がそんなちっぽけなカードに収まるわけがなかろう
そのため、私は常に電子の海の中を漂う生活をしていたのだ」
「そ、そうだったのか!!」
「うむ、まあそう気にすることはない
私もしっかり説明しなかったという落ち度がある
携帯に帰れなくなったときは少々驚いたが、こうして無事に帰り着くことが出来た
一件落着としようではないか!!」
一件落着はいいんだが…………なんかサトシが二人居るみたいでキモい!!
86 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:11:35.31 ID:J1HkUbr70(68)
総帥:諸君、いろいろと面倒を掛けたようだな、すまなかった!!
レビル:何をおっしゃいます、総帥
総帥がご無事で何よりですじゃ
ラル:そう言うことですぜ
総帥:そう言って貰えると本当に助かる
最初、この旅を止めようとすら思っていたのだ
今日はその詫びを入れるために顔を出したのだが……
白目のない男:それで、総帥は旅をお止めになるのですか?
総帥:……いや
この1週間は様々なパックアップをしてくれた諸君に
どう詫びようかとそれだけを考えていたが、アーガマが無事なら何も障害はない!!
再び、旅を続けようと思う!!!
アムロ:そうか!! こっちも安心したぜ!!!
結局、いつもの元鞘か………
でも、それが最高の締めくくりなのかもしれない!!!!
87 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:12:36.82 ID:J1HkUbr70(68)
白目のない男:それで、総帥は結局、今までどうしていたのですか?
総帥:諸君等が考えていた通り、グレン島からマサラタウンにいけなくて、
仕方がないのでふたご島からセキチクに抜けたのだよ
ラル:ホント、運がありませんでしたな
丁度、総帥の進行経路が海上封鎖されるなんて
レビル:全くですじゃ
しかし、総帥が無事で何よりですじゃ
総帥:全く無事というわけでも無かったのだがな
さすがに私も死にそうになった
生まれて初めて、真の恐怖というものを味わったよ!!
白目のない男:でもまあ、結局フリーザーには出会わなかったわけですね
やっぱり、目撃者の誤情報か、はたまたガセネタでしたか
総帥:ん!? フリーザーならゲットしたが……
アムロ
ラル
白目のない男 :な、なんだって―――――――――――!!!!!!!!!!!
レビル
88 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:15:03.27 ID:J1HkUbr70(68)
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
/ ミ:::,..::- 、::;;;ミミミ彡) ./´.: .:: ~:. :.`゙ー=,
!'" ミ:::/ u`ヽ--、'k.、 ,..-一、,.‐--、,,_ i '.: .: ,,..,.,..,.. ドヾ __,,,,...::-一=、
i. ミ::/ ゙゙゙''ヽ、 u iミ;!,.'";: .: .: .: .:. :: ド;'. i _,.ァ='-ノノi!_、i /.: .: : :. :.ミ
/',、ヾ ! u ,'"´r。`ヽ、_ :. _,,iミi '' 彡_イィiレヾi゙` iヘi ゙--゚,..` t_;7! .i .: ,.=-、ソiヾ、.,ヾ
゙i 'ヘ i:┘ ゙ー---.,, ゙i''f..i ,.i.-./r'"r。ヾ、ィ;、゙! ゝ. u .,.-、.,.ゞ. i .r、:i‐i' ( ;) i-i;"゙i'
.! ゙ヾ u " .:ヤ''〈ヘォi u ̄,._ ト‐-! ,,.ィ''ヾ ド--、 〉丿 ゞ_ u゙ー=、'.冫ィ
_,__7‐'i ,.:-‐-、.´/ .i,゙F'i /__.゙ラ' ,..j_,,ィ'" i. .:ヾ.==-'/ _,,../i' .、(ー-7 ノ
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90 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:17:04.94 ID:J1HkUbr70(68)
アムロ:ちょ…………フリーザーを手に入れたってどういう事だよ!!!
白目のない男:そ、そうですよ!!
というか、本当に実在していたのですか!?
総帥:いや、私もどういう経緯でフリーザーに出会ったのかは分からんのだ
急流に落ち、意識を失っていたのだが、なにやら激しい戦闘音で目が覚めてな
そちらに行ってみると、サザビーがフリーザーらしきポケモンにボコボコにされていたのだ
さすがにこれは不味いと判断してな、メタモン用のマスターボールを使ってしまったのだ
ラル:そ、そんなことが………
しかし、本当に実在していたなんて……
白目のない男:てっきりガセかと思っていましたよ!!
レビル:私もですじゃ
さすがの総帥も驚きを隠せないようですな
総帥:うむ
メタモン用のボールがあんなところで消える何て、本当に驚いたものだよ
そっちの驚きかよ!!!
悪かったな、弱くて!!!!!
91 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:18:21.53 ID:J1HkUbr70(68)
レビル:それで総帥はフリーザーをどうするおつもりで?
もし総帥の手に余るようでしたら、私の方で面倒を見させて貰いますが
総帥:レビル君
まだ、フリーザーにご執心のようだな
レビル:面目ない次第ですじゃ
しかし、現にフリーザーをゲットしたという話を聞かされては、私としてはどうも……
総帥:まあ、気持ちは分かるが、今回は諦めてくれたまえ
フリーザーは私の旅に同行させようと思う
厨なポケモンではあるが、戦闘力は直に見た僕が一番分かっている
さすがに戦闘力530000は伊達ではなかった
万一、RX-78と戦うことになった場合、あの驚異の戦闘力を持っていないのは惜しい
レビル:……そうですか
それでは、仕方ありませんな
総帥:まあ、旅が終わるまでの間だ
その後、レビル君に譲ることも検討の中に入れておこう!!
レビル:おお、ありがとうございますじゃ
これで、サトシの言う厨な軍団が完成したわけだ……
92 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:19:26.61 ID:J1HkUbr70(68)
ラル:しかし、フリーザーをゲットしたとあっては、
何か名前を付けてやらんといけませんぜ
白目のない男:そうですね
総帥は何かいい名をお考えで?
総帥:いや、特に考えていないが……
何か妙案はないかね?
アムロ:普通に最後の“ー”を消すだけで良いんじゃないか?
総帥:いや、折角メンバーがMSで揃っているのに、それは無かろう
まあ、私もそれを考えなかったと言えば嘘になるがな
ラル:ところで、フリーザーとはどのようなポケモンなので?
生憎と私は見たことがないんで
総帥:そうだな……
簡単に説明すれば、薄いブルーとホワイトでカラーリングされた鳥ポケモンと言うところか
94 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:20:55.34 ID:J1HkUbr70(68)
白目のない男:青と白の鳥ポケモン……ですか
なら、MAか戦闘機が妥当ではないでしょうか?
総帥:ふーむ……確かにそうかもしれんな
アムロ:ならコアファイターなんてどうだ?
ちょっと赤も混じるが、青と白の戦闘機だ!!
総帥:うむ、良いかもしれんな!!
ラル:おお、それは良いですぜ
白目のない男:ナイスなチョイスですね!!
レビル:それしかありませんじゃ
総帥:よし!!
それでは今日より、フリーザーはコアファイターに決定しよう!!!
なんか僕らの中で一番弱い名前になっちゃったな
MAですらないなんて
一番、強いのに……
99 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:23:52.84 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、フリーザーをMBから出すことになった
全員が緊張した面持ちだったが、さすがに今回は一人ではない
足場もしっかりしているし、どんなに向こうが強かろうと、負けることはないだろう
サトシがMBから、フリーザーを解き放った
MBから光と共に、優雅にフリーザーが出てくる
なんというか、そこに居るだけで空気が一変するほどの神々しさだ
「フリーザーよ、今日から僕がお前のトレーナーだ
今後ともよろしく頼む」
「…………油断していたわ
まさか、後ろからボールが来るなんて思ってもいなかった
しかも、普通のボールと違ってどうやっても出られないし……」
「当たり前だ!!
これはどんなポケモンでも、必ずゲットできるというボールだ
いかに伝説のポケモンとはいえ、それに抗うことは出来ん
本来なら、お前に使うようなボールではなかったのだが……」
メタモンに使うより、十分有効的な使い方だ!!!
100 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:24:57.81 ID:J1HkUbr70(68)
フリーザーはジッとサトシを見つめている
何か不思議なものでも見るように
「あなた………私の言葉が理解できるの!?」
フリーザーがサトシに問いかける
そうか!!
僕もサトシとフリーザーが普通に話していることに、なんの疑問も感じなかったが
サトシの能力を知らないフリーザーが不思議に思うのは仕方ないよな
「はっきりと言葉が分かるわけではない
ただ、何となくポケモンの考えが理解できる
昔からそうだったのだ」
「昔から……」
フリーザーは何かを考え込んでしまう
チラチラと目線をサトシに向けては、離している
何か気に掛かることでもあるんだろうか?
102 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:26:07.34 ID:J1HkUbr70(68)
「お前にはこれから、僕の旅に付き合って貰う
無事、旅が終わったら、離してやることを考えなくもない」
サトシの言葉に悩むような顔を見せるフリーザー
しかし考えも纏まったのか、大きく溜息をついて、サトシに言ってきた
「……まあ、仕方がないか
私が油断していたのが原因だし、
一度に5匹を相手にするのはさすがに骨だろうしね」
「そうか、平和的に解決できて何よりだ」
サトシが友好的か分からない表情を作る
この男にはこういう顔は本当に似合わないな
如何にも胡散臭い!!
「それではお前の名を付けてやろう
今日からお前はコアファイターだ!!」
「…………なに……その名前!?」
どうしてもそう言う反応になるよね
ホント、僕もそう思うよ
104 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:27:37.51 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは明日からの出発に向けて、準備を整えに行った
その間、僕らは第2回サトシ軍団(仮称)ポケモン懇談会を開くことになった
いかに仲間になったとはいえ、みんなは氷漬けにされ、僕はボロボロにされてしまった
今日は僕らの中にある溝を埋めるための懇談会でもあった
「あー、そのなんだ……今後ともよろしくね
僕はサザビー(仮称)、こちらは順にリン、アーガマ(仮称)、サイコ、BDだ」
「………変な名前ばかりね
あの人、センス無いんじゃないかしら?」
「…………あえて否定はしないよ」
105 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:28:58.87 ID:J1HkUbr70(68)
取りあえず、何て呼べばいいと言う僕の問いに、フリーザーは何でも良いと答えた
名前に不満があるようだし、僕は違う呼び名で呼ぼうかと言ったのだが、
この旅が終わればサトシの元を離れるので、変に情が移る名前は要らないとのことだ
そこで僕らは今後フリーザーをコアと呼ぶことにした
「そう言えば、あの時はごめんなさいね
今までも、幾度となくハンターに狙われてきたから……」
「まあ……言いたいことは色々あるけど、僕はもう気にしてないよ
捕まりたくない気持ちは分かるし」
「そうですね
凍らされたのは良い気分ではありませんでしたが、
そんなことを言ってチーム内に不協和音をもたらすのは得策ではありませんから
私ももう気にしないことにします」
「オラも……もう…気にしないことにするんだな」
「う……ん
…………みんながそう言うなら、私も何も言わない」
僕に続いて、ブルー、サイコ、リンも、コアを認めたようだ
リンは若干抵抗があったようだが、まあそれも若さ故か
どうやらうまくやっていけそうで安心した
107 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:30:55.95 ID:J1HkUbr70(68)
僕らはその後、コアにサトシとの付き合い方、旅の目的などを聞かせてやった
さすがにマスターボールをメタモンに使うと聞いたときは、
コアも唖然としていた
おそらく悔しかったのだろう
自分がメタモン以下と思われているような気がして
まあ気持ちは分かるが、そんなことを気にしていたらサトシとなんて、
一分も付き合えないよ
何せ、メタモン至上主義なんだから
108 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:32:54.31 ID:J1HkUbr70(68)
「ところであのトレーナー、サトシと言ったわよね
彼ってもしかして、トキワの森近くの出身かしら?」
「なっ、何でそんなこと知ってるの?」
僕らはコアの話を聞いて驚いた!!
サトシの故郷はマサラタウンだが、確か母親はトキワ出身のはずだ
エリカが以前、そんなことを言っていったのを覚えている
「ポケモンの考えていることが分かるって言っていたでしょ
トキワの森の出身者には時々、そういう人が生まれるのよ」
エリカに聞いた事と全く同じことを言うコア
「何でそんなこと知ってるの?」
「私はもう数百年生きてるもの
この地方に来たのだって、1回や2回では済まないわ
長く生きていれば、自然とそんな情報も入ってくるものよ」
「そんなものなのか」
「ええ
私が彼の旅に同行するのは、もちろんあのボールの強制力もあるけど
それより、彼がどんな人間なのか見てみたいからよ
トキワの力を持つ人間、興味は尽きないわ!!」
「サトシに何を期待しているのか知らないけど、絶対後悔すると思うよ」
111 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:36:04.19 ID:J1HkUbr70(68)
どうやらコアはインテリ系のようだ!!
また僕らにないタイプだ!!
しかし、これでツンデレの目は無くなったか……
最近の流行に乗る意味でも、期待していたのに
112 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:37:12.33 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、僕らは旅を再開することになった
コアは伝説のポケモンで、もし連れて歩いたりしたら大騒ぎになる可能性が高い
ボールに嫌悪感を示すコアはボールに入ることを嫌がっていたが、
ちょくちょく出すことを条件に、渋々ボールに入ることを認めてくれた
……はっきり言って、僕と代って欲しいよ
114 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:38:39.76 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは翌日までに、今まで失ったものを買いそろえてきた
こんな何もないところの、何処で手に入れてきたのかと言うほど大きなリュック
聞いたら、
「イワヤマトンネルを抜けてきた、山男から譲り受けた」
との事だ
そのリュックに、これでもかと荷物を詰め込んでいくサトシ
なんで、アキバ系って毎回大きなリュックに拘るんだろう?
115 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:39:56.76 ID:J1HkUbr70(68)
サトシは僕らの方に近づいてくると、アーガマに向かって話し出した
「ボールと違い、携帯では耐久性や耐水性が乏しいということがよく分かった
本当に勉強になったものだ」
どうやらサトシはサトシなりに反省しているらしい
てことは、これからはアーガマもボールでの旅になるのかな?
それともサイズ的に考えて、僕らと共に歩いての旅になるのだろうか?
サトシは整理した荷物の中からごそごそと何かを取りだしている
どうやら、ボールでの旅になるようだな
「今回の事件を踏まえて、しっかりと欠点は克服した
これを見たまえ!!
これはカシオが誇るタフネス携帯として有名なGシリーズだ!!
タフネス・耐水性共になんの問題もあるまい
これが、今日からお前の新たな住処だ!!」
何が欠点を克服しただ!!!
素直にモンスターボールを持てば良いだけだろうが!!!!!
118 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:43:25.33 ID:J1HkUbr70(68)
アーガマが携帯に入る前に、サトシがアーガマを呼び止めた
「ところで、アーガマよ、これを渡しておこう」
「んっ、なんだね?」
サトシから、一枚の紙を受け取るアーガマ
僕らも横からそれに目を通す
アーガマに掛かった費用の内訳
・アーガマ代:20万円
・携帯代:○万円
・石碑及び葬式代:○○○万円
・僕に掛けた心労:priceless
「しっかり働いて返したまえ!!」
そういって部屋を出て行くサトシ
アーガマは何とも言えない様子で、サトシの背中を眺めていた
121 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:46:14.88 ID:J1HkUbr70(68)
翌日、ようやく旅が再開された
サトシもすっかり全開し、相変わらず良い感じでシャツを汗で濡らしている
ホント、ビリーもビックリの汗の量だ!!
次の目的地はお隣の街、ヤマブキシティにあるヤマブキジムだ
以前はレベルが高くて敬遠したジムだが、新たにコアも加わったのだ
それに今の僕らのレベルならどうにでもなるだろう
よし、気合いを入れて出発しよう
123 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:48:17.45 ID:J1HkUbr70(68)
サザビー レベル48 えんまく かえんほうしゃ つばさでうつ きりさく
リン レベル45 かげぶんしん たたきつける 10まんボルト かみなり
サイコ レベル45 ずつき ねむる いびき のしかかり
アーガマ レベル44 サイケこうせん じこさいせい れいとうビーム トライアタック
BD レベル43 のしかかり あやしいひかり れいとうビーム どくどく
コア レベル50 しろいきり こうそくいどう こころのめ れいとうビーム
124 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:49:27.97 ID:J1HkUbr70(68)
ゲゲゲスタイルでヤマブキまで飛んでいく僕たち
なんの障害もなく、街にたどり着いた
以前はロケット団のせいで喧噪に包まれていた街だったが、今は良い意味で騒がしい
これがこの街本来の姿なんだろう
時刻はまだ午前
今日中にジム戦を終えるのかと思ったら、サトシはポケモンセンターに行くといいだした
やっぱり休むのだろうか?
しかし僕の予想に反して、サトシは部屋は取らなかった
カウンターに行き、受付と何かを話している
「今からジムに挑戦するのだが、誰か職員一人に着いてきて欲しいのだが」
「ジム戦は初めてでしょうか?
でしたら、ヤマブキジムはお止めになった方がよろしいかと思います
この街のジムは高レベルのトレーナーの為のジムですので……」
「いや、それは分かっている
実は各街のジムに行くごとに、ストーカーが僕の後をつけていてな
そろそろどうにかしたいと思っていたのだ」
そうだ、あのストーカーがいたんだ!!!
126 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:51:11.65 ID:J1HkUbr70(68)
このピザオタにストーカー!? と受付の人物は思ったのだろう
態度にありありと出ている
しかしそんなことを口に出せるはずもなく、
トレーナーが快適に旅を続けられるようにするのもポケモンセンターの役目なので、
しぶしぶと二人の職員を同行させてくれた
二人というのは、万が一暴れられた場合の対策である
ヤマブキジムの前にやってきた僕たち
サトシが連れてきた職員に後についてくるように促すと、ジムのドアを開けた
「おーす! 未来のチャンピオン!!」
案の定、ストーカーは健在だった
サトシの予感、大的中だ!!
「彼がストーカーだ
ニビジムからずっと僕をつけていたのだ」
職員にストーカーを教えると、職員はストーカーの両側に立ち、腕を掴みに掛かる
まるでグレイだ!!
127 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:52:31.14 ID:J1HkUbr70(68)
「なっ、何をするんだ!!」
両腕を掴まれ、明らかに狼狽を見せる
「こちらの方が非常に迷惑に感じています
済みませんが、ポケモンセンターまでご足労を願います」
「ま、待ってくれ!!
た、頼む!! 今回だけで良いんだ、これにサインをしてくれ!!」
職員に引きずられながらも、懸命にサトシを説得しようとする
また連帯保証人のサインか、懲りない男だ!!
「これにサインをしてもらえないと、オレは自己破n…………!!!」
ドアから出るまで、しつこく叫び続けるストーカー
例え金に困っても、ああは成りたくないものだな……
129 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:53:53.06 ID:J1HkUbr70(68)
「これで僕らの旅も快適なものになるな」
僕も珍しくサトシの意見に同意だ
ようやく憂いが絶てたと言うものだ!!
それにしても、ここは本当にジムだろうか?
周りを見渡す限り一面壁に覆われていて、
何処にも入り口や扉らしいものが見あたらない
ジムリーダーは元より、ジムお抱えのトレーナーすら居なかった
僕らが注意深く部屋を見回っていると、
以前シルフ・カンパニーでみたマークが床に描かれているではないか!!
超技術の粋を結集した、あのテレポーターだ
これがあると言うことは、このジムはテレポーターで進んでいくのだろう
種が分かれば、どうと言うこともない仕掛けだな
それにしても、シルフ・カンパニーがこの技術を一般公開しない理由がこれで分かった
ヤマブキジムに独占供給していたんだな!!
131 : ◆mG6IQzdmSI :2007/06/27(水) 22:55:27.63 ID:J1HkUbr70(68)
各部屋に4つのテレーポーターがあり、僕らを迷わせる
無論何処に進むかなど見当も付かない僕らは、
仕方がないと常に出た場所の北か南にあるテレポーターを跳んでいった
この方法ならむやみに他のトレーナーと戦う必要が無いからだが、
普通この手の罠はどうにかしてトレーナーと戦わせるための物のはずだ
セキチクの見えない壁のように
それなのにトレーナーと戦わないで行く方法で、
ジムリーダーにたどり着けるとは思えない
サトシに進言しようかと思ったが、
まあその内気づくだろうと、僕は何も言わないことにした
もう何十回目かの跳躍で出た場所は、今までと違い大広間だった
その中央では一人の少女が瞑想しているのが目に止まる
少女が静かに目を開けて、僕らの方を向かずに口を開いてきた
「やっぱり来たわ、予感がしたのよ!!」
この言い方……この子がジムリーダーか!!
そりゃ来れるって!! あんな意味のない罠設置されたって!!
続くのであーる
リンクはりたいときはttpという形式で頼むお
この記事へのコメント
待ってたよ
2007/06/27(水) 23:41 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
>>米1
早すぎwww
早すぎwww
2007/06/27(水) 23:48 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
だって待ってたんだもん
2007/06/27(水) 23:50 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
フリーザーの活躍に期待だなぁ
2007/06/28(木) 00:04 | URL | アフォな名無し #xYl2iXZk[ 編集]
リザードン愛してるよぉ
2007/06/28(木) 00:19 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
待ってました!
2007/06/28(木) 00:23 | URL | アフォなK #-[ 編集]
待ってた
2007/06/28(木) 00:41 | URL | #-[ 編集]
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
相変わらずクオリティが高いな。
死んだと思ってたらアーガマ生きてるし、フリーザーの名前はウイングガンダムかと思ってたらコアファイターだし。
毎回いい意味で期待を裏切られるwww
これは次にwktkせざるを得ない。
相変わらずクオリティが高いな。
死んだと思ってたらアーガマ生きてるし、フリーザーの名前はウイングガンダムかと思ってたらコアファイターだし。
毎回いい意味で期待を裏切られるwww
これは次にwktkせざるを得ない。
2007/06/28(木) 01:05 | URL | アフォな名無し #mQop/nM.[ 編集]
双子島からでるときアーガマとBDを間違えてるな。
2007/06/28(木) 01:24 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
このストーリー通りにポケモンをやってみたくなった
がんばってみるか
がんばってみるか
2007/06/28(木) 03:27 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
なんか微妙にバランス悪いパーティだなw
ノーマル2匹いるし、氷2匹いるし
ノーマル2匹いるし、氷2匹いるし
2007/06/28(木) 11:16 | URL | 名無し!! #-[ 編集]
pricelessで吹いた。
アーガマに同情
アーガマに同情
2007/06/28(木) 13:59 | URL | アフォな名無し #mQop/nM.[ 編集]
てかサザビーとコアはレベル2しか
違わないことに驚いた
火炎放射一発が当たれば勝てたかも
しれんだのか
違わないことに驚いた
火炎放射一発が当たれば勝てたかも
しれんだのか
2007/06/28(木) 19:12 | URL | VIPPERな名無しさん #-[ 編集]
次がいつか作者言ってた?
2007/06/28(木) 19:24 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
なんか携帯だと見れなくね?
2007/06/28(木) 20:19 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
つファイルシーク
2007/06/28(木) 22:49 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
サンクス、別のまとめは読めたのにこの話だけ読めなくて困ってたんだ
2007/06/28(木) 23:36 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
フリーザはハンムラビだと思ってた
2007/06/30(土) 21:07 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
フリーザは青と白でフリーダムかと思ってよ。種は嫌いなのかなw
2007/07/02(月) 08:41 | URL | アフォな名無し #-[ 編集]
僕とサトシは傷が深いので、サイコとアーガマの背に乗り、連れて行って貰った
我ながら情けない格好だ!!
アーガマではなくブルー
我ながら情けない格好だ!!
アーガマではなくブルー
2008/10/24(金) 16:17 | URL | ぎか #-[ 編集]
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